かわいい、という名の呪い

1日中すっぴんとジャージで過ごしている私でも、きちんとメイクをして、
それなりにおしゃれして、ヒールを履いて出かける日もあるんです。

そんな日に出かけた私は、いつもよりちょっとだけ自信が持てて、いつもは近寄りもしないデパートのコスメコーナに行けたりしちゃうんです。
ずっと気になってたファンデーションをタッチアップしてもらっちゃったりするんです。

気付けば、カードの伝票にサインしちゃってる私。でも後悔は全然していません。むしろ、ついでに入れてもらった綺麗なチークと、新作の口紅を試してもらった私は無敵です。口元に笑みをたたえ、背筋も伸びちゃってます。

そうなるともう誰も私を止められません。その足で、本屋さんに行って、大好きな作家さんのエッセイを2冊買っちゃいます。2冊で1000円ちょっと。
それを帰りの電車まで、某有名コーヒーチェーン店で読みます。文庫本1冊より高いコーヒーを飲みながら。

ああ、なんて幸せなんだろうと思います。強がりではなくて。
自分の足で、自分の行きたいところに行ける。
おいしいコーヒを飲みながら好きな本を読める。
自分のお金で、欲しかったものが買える。

そしてなにより好きなのが、目で文庫本の文字をなぞりながら、頭では「 今度はどんな男と付き合おうかなあ 」と考えることだ。だって周りカップルだらけなんだもん。笑

イケメンで、背が高くて、優しくて、頼り甲斐があって、お金持ちがいい、なんてことはもう言わない。
自分が言えるほど、男が求めている華奢さもかわいさも持ち合わせていないし、派手におごってあげられるだけの財力もない。

そう考えたら、私の次の恋人にふさわしいのは
「 健康で、左手の薬指に指輪をしていない人 」だと妙に納得してしまって、とても悲しい気持ちになる。
そもそも私が、次の恋人候補を選り好みすること自体、とてもおこがましい。気がする。

そんなとき、隣の席にカップルが来まして。彼女が愛され要素満載でして。
彼氏に笑いかける仕草とか、もう見習いたいくらい。
きっと、彼氏はじめ、世間一般からすると「かわいい」んだと思う。
でも、私はどうしてもかわいいと思えなかった。強がりでも嫉妬でもなんでもなく。どうしてもそう決めたいんなら、もうそれでもいいけど。
きっとそう思ってる私は、きっと男から見ても女から見てもかわいくないし、だから彼氏もできないんでしょうけど。

私はよく男っぽいと言われます。手相もそうらしいです。このご時世に男っぽいも女っぽいもないと思いますが、少なくとも一定数にはそう思われているんでしょう。

私は男の人に甘えるのが絶望的に苦手でして、プレゼントを頼むのも、ごはんを奢ってもらうのも苦手です。嫌いではないけど。笑
なんか申し訳なくなっちゃうし、自分で買えるものを頼んでいいのかな、って思うんです、っていうと聞こえはいいですが、金銭的な面で男の人に頼りたくないんだと思います。

かっわいくねーーー

自分が男だったらこんな女は好きにならない。都合良くは使えそうだけど。
これだったら、身長がー、性格がー、なんて言ってた高校生の頃がまだかわいかった。
今の私は、高校生の頃の自分が、いちばんなりたくなかった大人になってる気がする。ごめんね、若き日の自分。

でも今の私は、今の私がいちばん生きやすい自分だと思う。
そして、そんなことを考える自分は、かなりめんどくさくて、かなりかわいい気がする。

そんな土曜日でした。

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